けいしゃって何??
暮らしの中で人知れず活躍している硅砂〔けいしゃ〕。
あなたのすぐそばに硅砂はあります。
上の写真にも硅砂はたくさん潜んでいます。
あなたは硅砂をいくつ見つけられますか?
広く一般的な硅砂の紹介のため、当社の製品や業務内容の限りではない点も含まれます。
〔けいしゃ〕とは‐自然が生み出した有能素材
硅砂とは、宝石?
硅砂(けいしゃ)は、石英(せきえい)という天然の鉱物が粒状になったものです。主成分が二酸化ケイ素(SiO2)であることから「けいしゃ」と呼ばれます。砂粒ではなく岩石サイズなら「けいせき(硅石)」、そしてサイズ・形・質の良い石英は、なんと水晶やクオーツと呼ばれ宝石として取り扱われます。
大胆に言い切ると、水晶を砕いてできた透明な砂が硅砂です。もちろん宝石品質の石英は硅砂・硅石ほどたくさん発掘されません。希少だから貴重なのです。
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硅砂とは、砂浜?
宝石は特殊な例ですが、日常的な風景にも硅砂を見つけることができます。このページ最初の写真にも写っているあれです。思いつきますか?
最も目にしやすい硅砂そのものは砂浜です。「見たことはあるけど名前までは知らなかった」、「他の砂と硅砂の何が違うの?」。これが硅砂の一般的な認識ではないでしょうか?

硅砂とは、社会インフラ?
硅砂そのものを目にすることよりも、実は目に触れないところで硅砂は活躍しています。硅砂の多様な活用シーンを知るほど、「硅砂は宝石」以上の意外性を持って硅砂の認識が変わるはずです。姿の見えないところで小さな硅砂が私たちの生活をあらゆる分野から支えている、まさに社会のインフラと言っても過言ではないのです。硅砂なしでは私たちは立っていられない。なんて話は信じられますか?
では硅砂の使用シーンを次に見ていきましょう。

【鳴き砂】【星の砂】
砂浜を歩くと「キュッ、キュッ」「クッ、クッ」と音が鳴ることを知っていますか?これは鳴き砂と呼ばれていて、形状など特殊な条件がそろった硅砂が起こす不思議な現象です。同じく砂浜の特殊な砂として星の砂がありますが、こちらは砂ではなく微生物の殻だそうです。
*鳴き砂は京都府の琴引浜、宮城県の十八鳴浜(くぐなりはま)、九九鳴き浜(くくなきはま)、星の砂は沖縄県の西表島(いりおもてじま)が有名です。
暮らしの中の、けいしゃの力
硅砂は食器、金型部品、建物、道路、ライフラインなど、私たちの生活を支えています。
都市の風景

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- 建造物・構造物:ビルや道路、橋げたなどコンクリートの強度を担う建材として。
- 道路舗装:コンクリート同様、アスファルト混合物の一部として。
硅砂はコンクリートの強度を高め、耐久性を向上させる役割を果たし、都市の景観造りに欠かせない建材です。


日常の景色

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- ガラス製造:ガラスの主原料として。
わかりやすく言えば、硅砂を溶かして固めるとガラスが出来上がります。食器、電球、鏡、ステンドグラス、釉薬、スマホの画面など実用品から工芸品まで、ガラスは人間の生活を豊かにしてきました。

- 大型金型部品の製造:鋳型の型取り材料として。
金属を流し込むための鋳物(いもの)の型を、吹けば飛ぶような微細な砂で形成します。部品の量産に鋳型(いがた)は欠かせません。これにより、自動車産業、航空産業、宇宙産業などさまざまな大型金属部品が製造されています。


ライフライン

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- 水のろ過材:水処理施設で安全で清潔な飲み水の精製。
- ごみ焼却炉やバイオマス発電用燃焼炉:安定燃焼のための媒体として。
硅砂を使う焼却炉を流動床焼却炉と言います。硅砂の融点は1600℃以上と高いため、炉内に入れられた硅砂は高熱を帯びながら炉内を流動し、炉内温度を安定させる役割を果たします。


【ケイ素】【半導体】【シリコーン】
硅砂の主成分二酸化ケイ素(silica シリカ)、その元であるケイ素(silicon シリコン)は高純度の化学成分となると半導体製品に用いられます。また、応用素材として生まれたシリコーン樹脂は、耐熱、耐久、柔軟性から便利な日用製品として多用な使われ方をしています。硅砂の優秀さはケイ素譲りなんですね。
*半導体は電子基板の中枢パーツです。電気の制御、データ処理と記憶、そして太陽光からの発電まで行っています。
ガーデニング・DIYの強い味方
家庭でも硅砂には多くの活用方法が見られます。
ガーデニング
- 人工芝への散布:表面に撒いて利用されています。
- 景観用:優しい灰白色系で庭にアクセントを加えることができます。



DIY
- 左官砂や目地留め:左官作業やタイルの目地埋めに使用されます。
- 滑り止め:塗料に混ぜて塗り、屋外プールの床の滑り止めのように使用されます。氷や雪の上に撒いて雪が溶けた後も、天然素材なのでそのまま残せるメリットも。
- 汚れ落としや研磨:バーベキューグリルの燃え炭や油汚れを洗剤と混ぜた硅砂でこすり落として使用されます。
- 水槽用の砂:アクアリウムの底砂として利用されます。



【ゴルフ場】【競馬場】【枯山水】
乾燥硅砂は化学反応を起こしにくい安定性と、水洗い・高熱処理を経た清潔さから園芸愛好家やDIY愛好家に愛用されています。また、景観を美しく見せる硅砂の白さと、粒径がそろっていること、水捌けがいいことから、ゴルフ場のバンカーや競馬場のパドックにも硅砂が選ばれています。
*砂、小石、岩石などで自然の移ろいを庭園として表現する枯山水。当社では硅砂の白さを買われ枯山水用に硅砂を提供したこともあります。
けいしゃ選びのポイント
幅広く使える硅砂は用途によって重要視するポイントが異なります。ここでは6つの基準を紹介します。

硅砂は製造方法により、天然硅砂と人工硅砂に大きく分けられます。始めから砂粒状で採掘されると天然硅砂、硅石を破砕し砂粒状にすると人工硅砂と呼ばれます。
天然硅砂鉱山の例≫

小さな砂にも形状に違いがあります。天然硅砂は程よく丸みを帯び、人工硅砂は角が立っていることが特徴です。
塗料に硅砂を混ぜ、壁や床に陰影の表情や滑り止めの効果をもたらす使われ方があります。塗りのプロである左官職人の中には、引っ掛かりが少ない天然硅砂を好む方もおられます。

硅砂の粒子サイズは号数によって分類されており、号数が大きくなるほど細かくなります。例えば4号なら、約1.2~0.3mmなど各号ごとにサイズの幅があります。
鋳物砂は8号など細かいもの、ゴルフ場のバンカー砂は3号など粗いものが好まれるようです。用途や業界により号数が使い分けられています。
粒度・号数の比較参照≫

硅砂の鉱物名は石英(せきえい)。石英は鉱物の硬さを示すモース硬度は10段階中の7です。最も硬い10のダイヤモンドには及ばないものの、ナイフでも傷がつかず、逆に鉄鋼に傷をつけることができる硬さを誇ります。
主要鉱物が石英である硅砂は、壊れにくさ、砕かれにくさに優れています。

主成分である二酸化ケイ素の純度が主に着目されます。純度は産地や地層により異なります。
ガラス製造には90%以上が求められ、鋳物砂には80%以上が求められることが多いようです。

硅砂は白色系が特徴の天然砂と紹介されることが多いですが、黄色寄りのアイボリーホワイトや灰色寄りのグレーホワイトなど産地によって色味が異なります。
景観美化の目的から、競馬場のパドックやゴルフ場のバンカーでは硅砂の白色系が好まれる面もあります。
【砂浜の成り立ち】【風化に抗う高耐性】
砂浜は硅砂の硬さ強さがわかる代表的なエピソードです。始めは多種の鉱物がありますが、雨風と経年変化にさらされても風化されずに残ったのが硅砂です。硅砂を集めて砂浜が作られたのではなく、残り続けた硬い硅砂が砂浜を作っているのです。
*風化で砕かれた他の鉱物はどこに行くのでしょうか。答は土や泥で、波に流されて砂浜から去っていきます。
硅砂とは、都市と暮らしを支える縁の下の力持ち
硅砂は高層ビルから食卓そして水まで、幅広く私たちの生活を支えています。
足の裏がやけどするかもと思いながら遊んだ海水浴、落としたスマホの画面が割れていていないことにホッとし、車、電車、飛行機で新たな世界に会いに行く。たくさんの記憶や思い出のそばに硅砂があります。
都市生活の営みの中では、コンクリートが建造物や道路を形成し、水処理施設で安全な飲み水を精製し、その水を注ぎ入れる器となり、機器や産業、都市を動かすための電力生産の一助になる。目立たない存在ですが、その役割は計り知れません。
その多様な用途からまさに、硅砂は現代社会のインフラの礎と言えます。

【替えの利かない素材】
硅砂の優れた有用性は、天然鉱物資源としての各種耐性、汎用性の高さに由来します。替えの利かない素材としてこれからも私たちの生活のあらゆる場面で活躍することが期待されています。
*実は、「砂」は「水」に次いで人類に利用されている天然資源であり、すでに世界規模では、上質な砂である硅砂の取り合いが始まっているとも言われています。
けいしゃQ&A

≪7つ星ホテル≫を望むビーチ @ ドバイ
- 砂浜
- 防波堤
- テトラポッド
- 船のエンジン
- ビル
6. 窓ガラス
7. 道路
8. スマホ
9. サングラス
10. などなど
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